楽興撰録

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リリー・クラウス


モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番、ピアノ・ソナタ第8番
ハイドン:ピアノ・ソナタ第37番
ウィーン交響楽団/ルドルフ・モラルト(cond.)
[Vox CDX2 5516]

 米Vox2枚組。1950年から1951年頃の録音とされる。1枚目では名作変ホ長調協奏曲が聴ける。快活であり、歌があり、陰影があり見事なピアニズムが堪能出来る。モラルトの伴奏も一本調子とは云へ、クラウスの表現に寄り添つてをり申し分ない。しかし、録音が冴えず抜けが悪いので、良さが伝はりにくい恨みがある。後年の全集録音を採るべきだらう。独奏曲が素晴らしい。イ短調ソナタは第3楽章の焦燥感など聴かせる箇所も多く、後年の名盤を髣髴とさせる名演だ。とは云へ、仕上がりはディスコフィル・フランセへの全集録音の方が断然良い。さて、ハイドンのニ長調ソナタが当盤の白眉で、軽快さと諧謔が見事に融合した特級品。この曲の決定的名演と太鼓判を押す。


モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番、アダージョロ短調K.540、ピアノ・ソナタニ長調K.576
ウィーン交響楽団/ルドルフ・モラルト(cond.)
[Vox CDX2 5516]

 米Vox2枚組。1950年から1951年頃の録音とされる。2枚目はモーツァルトのニ長調協奏曲が聴けるが、モラルトの指揮が凡庸極まりなく良い点がない。肝心のクラウスは悪くはないが、録音がもつさりしてをり、良さが伝はらずもどかしい。クラウスは後年に状態の良い全集録音を残したので、このVox盤は全く価値がないと云へよう。さて、本当に素晴らしいのは独奏曲だ。モーツァルト後期の傑作が聴ける。モーツァルトでは珍しいロ短調によるアダージョは、静謐で深刻な音楽だ。協奏曲と異なり、クラウスの作る空気が絶妙だ。モーツァルト最後のソナタでは深沈とした趣があり、儚き美が感じ取れる。後年の全集録音の輝きのある演奏も素晴らしいが、この初期録音も捨て難い魅力がある。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ同第30番、第21番
ハイドン:ピアノ・ソナタ第46番、同44番
[EMI 7243 5 62831 2 1] 画像はジャケット裏です

 "LES RARISSIMES"シリーズの1枚。デュクレテ・トムソンに録音したベートーヴェンとディスコフィル・フランセに録音にしたハイドンは大変貴重で、稀代のモーツァルト弾きクラウスの異なる側面を補完して呉れる。ベートーヴェンではヴァルトシュタイン・ソナタが洒脱で個性的な面白みがある。剛健な解釈が多い中、クラウスは華麗なタッチで光彩煌めく演奏を繰り広げる。特に第1楽章が激情的な昂揚も併せ持つ迫真の名演だ。第30番も同様の華美な演奏だが、名演犇めく曲だけに特別な良さを見い出し得なかつた。ハイドンのソナタはクラウスに打つてつけだ。躍動的なリズムと陰影豊かな歌が宝石のやうな硬質の美しいタッチで浮き上がる。特に第46番第1楽章と第3楽章が愉悦溢れる格別の名演である。第44番ト短調は情緒豊かな演奏だが、然して感銘深い録音ではない。


ハイドン:ピアノ・ソナタ第52番
ブラームス:シューマンの主題による変奏曲、他
[EMI 7243 5 62831 2 1] 画像はジャケット裏です

 "LES RARISSIMES"シリーズの1枚。2枚組の2枚目はディスコフィル・フランセに録音にしたハイドンと、デュクレテ・トムソンに録音したブラームスだ。ハイドンはモーツァルト弾きクラウスの天分が発揮された名演で、第3楽章の疾走には心躍る。連綿とした緩徐楽章の歌も美しい。クラウスによるブラームスは大変珍しい。大曲「シューマンの主題による変奏曲」Op.9は抒情的な名演で、演目としても貴重なので価値が高い。後期作品群6曲は名演が犇めいてゐるので、クラウスの演奏が特別な位置を占めることはない。渋い幻想や重厚な浪漫ではなく、真珠のやうな華やかなタッチで感傷的な音楽を紡ぐクラウスの演奏には面白みは感じるが、ブラームスの懐に入り込んだ演奏とは云ひ難い。


モーツァルト:ピアノ・ソナタハ長調K.279、同ヘ長調K.280、同変ロ長調K.281、同変ホ長調K.282、同ト長調K.283
[Music&Arts CD-1001]

 稀代のモーツァルト弾きクラウスによる第1回目のモノーラル録音でのピアノ・ソナタ全集。このM&A盤は小品を含めた完全な復刻なので重宝する。1954年にシャルラン技師により録音され、フランスではディスコフィル・フランセから1956年のモーツァルト生誕200年に発売されたが、当盤はアメリカでの発売元になつたハイドン協会盤からの復刻である。全集盤は数多くあるが、矢張りクラウスの旧盤が最高だ。5枚組の1枚目は第1番から第5番で、初期の簡素なソナタからクラウスの個性が色濃く溢れ出てゐる。旋律線を重視し、起伏を大胆に作り、何も書かれてゐない楽譜に抑揚と強弱を縦横無尽に付ける。テンポは一定せず、フレーズを転がるやうに駆け下りたり、躊躇ふやうに立ち止まつたり、自由自在だ。常に音楽的たらんとしたクラウスの演奏は、ロココを脱却した刺激的な挑戦に充ちてゐるのだが、結果は大成功してゐる。硬質のタッチがモーツァルトに合ふのも幸ひした。緩徐楽章の深い感情表現も素晴らしい。


モーツァルト:ピアノ・ソナタニ長調K.284、同ハ長調K.309、同イ短調K.310、同ニ長調K.311
[Music&Arts CD-1001]

 稀代のモーツァルト弾きクラウスによる第1回目のモノーラル録音でのピアノ・ソナタ全集。5枚組の2枚目は第6番から第9番が収録されてゐる。ほぼ同時期に録音されたギーゼキングの名盤と比較するのも興味深い。均質なタッチでモーツァルトの純粋な音楽だけを取り出した外連のないギーゼキングの完璧さに比べると、クラウスのタッチは凸凹してゐる。しかし、クラウスはより大きな音楽の流れを重視し、感情表現を優先してゐる。古典的なギーゼキング、浪漫的なクラウス、聴いて面白いのは断然クラウスだ。色気のある溜めを多用したフレージング、強拍に用ゐられる鋭いアクセント、高音と低音で現れる旋律での表情の違ひ、浪漫的な発想に彩られてゐる。何よりも前進するはしゃいだテンポ感が絶妙だ。イ短調ソナタはリパッティの不動の名演があるが、その他の曲はクラウスが最高だらう。


モーツァルト:ピアノ・ソナタハ長調K.330、同イ長調K.331、同ヘ長調K.332、同変ロ長調K.333
[Music&Arts CD-1001]

 稀代のモーツァルト弾きクラウスによる第1回目のモノーラル録音でのピアノ・ソナタ全集。5枚組の3枚目は第10番から第13番が収録されてゐる。最も人気のある作品群であるので名演も多く、クラウス盤を無闇に贔屓にする積もりは毛頭ないのだが、矢張り別格の名演だと感服して仕舞ふ。第10番第1楽章の色を変へながら、リズムを弾ませる手腕に早速心奪はれて仕舞ふ。第11番のトルコ行進曲も絶品だ。装飾音などの描き分けが鮮やかで、特に左手の低音部の絶妙な雄弁さに藝の深さを感じる。第12番では細やかな転調での表情の差に妙味がある。憂ひのある翳りや劇的な展開など古典的な枠に留まらない浪漫的な挑戦がある。第13番が極上の名演だ。ひとつひとつの音に生命が吹き込まれてをり、はしゃいだリズムが華やかだ。何気ないフレーズに運動性を常に持たせるクラウスの魅力が充満してゐる。宝石のやうな硬質のタッチも美しい。


モーツァルト:幻想曲ハ短調K.475、ピアノ・ソナタハ短調K.457、同ハ長調K.545、同変ロ長調K.570、同ニ長調K.576
[Music&Arts CD-1001]

 稀代のモーツァルト弾きクラウスによる第1回目のモノーラル録音でのピアノ・ソナタ全集。5枚組の4枚目は第14番から第17番とハ短調幻想曲が収録されてゐる。劇的な表現を得意としたクラウスだから、短調作品での表現の幅が広く、色とりどりの感情が吹き込まれてゐる。荘重な悲劇を滲ませる幻想曲の後に同じ調の第14番のソナタが疾走するやうに奏でられる時の感銘は格別だ。焦燥感溢れる第3楽章は取り分け見事。簡素な第15番も名演だが、幾分特徴に乏しい。第16番が素晴らしい。滋味豊かな歌を聴かせる緩徐楽章、はしゃいだリズムを活かした第3楽章、クラウスの美点が存分に出た名演。澄みきつた第17番のソナタでも味はひ深い演奏が楽しめる。総じてモーツァルトのピアノ・ソナタ全集録音でクラウス盤を超える録音はない。


モーツァルト:変奏曲、幻想曲、ロンド、他
[Music&Arts CD-1001]

 クラウスによるピアノ・ソナタ全集を復刻した当盤の価値の大部分は5枚目の小品集にあると云つても過言ではない。ソナタだけの復刻は何種類も発売されてをり、入手が容易であつたが、同時に録音されたこれら小品の復刻は殆どなかつたからだ。収録曲は「美しいフランソワーズ」による12の変奏曲、「哲学者気取り」による6つの変奏曲、サルティの主題による8つの変奏曲、幻想曲ハ短調K.396、幻想曲ニ短調K.397、アレグロト短調K.312、小さなジーグト長調K.574、メヌエットニ長調K.355、アダージョロ短調K.540、ロンドイ短調K.511だ。短調作品が多いのが特徴で、劇的な表現を好むクラウスの趣向が出てゐる。ギーゼキングと比較すると、変奏曲におけるさり気ない転調の妙味では劣るが、旋律の感情を込めた歌の凄みではクラウスが素晴らしい。ソナタほどの感銘を受ける演奏は少ないのだが、絶頂期のクラウスの記録を味はひたい。


モーツァルト:ピアノ三重奏曲変ロ長調K.254、同ハ長調K.548、同ホ長調K.542、同ト長調K.564
ヴィリー・ボスコフスキー(vn)/ニコラウス・ヒューブナー(vc)
[EMI CDS 7 69762 2]

 1954年に録音されたモーツァルトのピアノ三重奏曲全集の名盤。2枚組の1枚目はディヴェルティメントとして書かれた最初の三重奏曲と、充実した内容の後期作品3曲だ。ウィーンを拠点に活躍した3者による典雅な演奏は規範と云へる。何よりもモーツァルトを得意としたクラウスの快活なピアノが素晴らしく、終始歌ひ続ける能弁さが極上だ。はしゃいだリズム、きらびやかな音色、輪郭のくっきりしたタッチ、全てが理想的なモーツァルトを奏でてをり、音楽の全主導権を握つてゐる。特にクラウスが仕掛ける自在なテンポの変化はアンサンブルの極意だ。ボスコフスキーの優美なヴァイオリンも見事で、転調時の色彩の変化は絶妙である。


モーツァルト:ピアノ三重奏曲ニ短調K.442、同ト長調K.496、同変ロ長調K.502
ヴィリー・ボスコフスキー(vn)/ニコラウス・ヒューブナー(vc)
[EMI CDS 7 69762 2]

 1954年に録音されたモーツァルトのピアノ三重奏曲全集の名盤。2枚組の2枚目を聴く。唯一の短調作品となるニ短調曲が特に素晴らしい。即興的にリズムと歌に刺激を与へるクラウスのピアノがここでも見事だ。クラウスに触発されて、アンサンブルが俄然生気を帯びて来る。ピアノ・ソナタ全集録音を残し全盛期の真つ只中にあつたクラウスの輝きは如何ばかりだらう。陰影深く可憐な歌を奏でるボスコフスキーも見事だ。躊躇ひ勝ちなト長調曲のアンダンテ楽章、転調を頻繁に繰り返し乍ら光と闇を交錯させる変ロ長調曲の両端楽章、モーツァルトの神髄を聴かせて呉れる名演の連続だ。


ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番、同第4番
ヴィクトル・デザルツェンツ(cond.)、他
[SCRIBENDUM SC018]

 驚くほど闊達自在な演奏で、多彩な表情に心奪はれる。シュナーベルよりも大胆にテンポを揺らしてはカデンツの妙を聴かせる。宝石の如く輝くタッチの美しさや躍動的な生命感はクラウスの美質で、その秘訣はアクセントの絶妙な用ゐ方にある。クラウスは音楽の長いフレーズを保持することよりも、音楽の拍動を浮かび上がらせることに腐心し、閃くアクセントで輝かしい音楽を奏でる。惜しむらくは、時に技巧の崩れが目立ち、アゴーギクが充分に生きてゐないことだ。抒情的な第4番は全体にやや落ち着かないが、第3番は焦燥感を秘めた名演だ。管弦楽の伴奏は水準程度である。


シューマン:ピアノ協奏曲
ヴェーバー:コンツェルトシュトゥック
ベートーヴェン:合唱幻想曲
ヴィクトル・デザルツェンツ(cond.)、他
[SCRIBENDUM SC018]

 シューマンとヴェーバーはクラウス得意の演目で極めて充実した名演だ。伴奏の管弦楽と録音の質が良ければ、代表盤足り得ただらう。シューマンにおけるタッチとペダルの多彩な表情付けが見事で、眩い美しさには胸熱くなる。ヴェーバーは更に素晴らしい。クラウスはライヴでも名演を残してをり、この曲の第一人者なのだ。躍動感ある宝石のやうな音色は絶品だ。ベートーヴェンは独唱者と合唱団が余りにも非道い。人数も少なく薄つぺらい合唱には失望するが、調子外れの独唱陣は論外で、四重唱は素人かと耳を疑ふほどだ。クラウスのピアノが幻想的で素晴らしいだけに残念だ。


モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番、同第26番
ヴィクトル・デザルツェンツ(cond.)、他
[SCRIBENDUM SC018]

 稀代のモーツァルト弾きクラウスによる名盤。1959年と1960年の録音でクラウスにとり全盛期の録音である。コンサートホール・レーベルへの録音は音質と伴奏の技量に懸念があるが、このモーツァルトの録音では格別気にならない。何よりも活気ある演奏が素晴らしく、聴き手を惹き込む魅力を備へてゐる。特に感銘深いのが第26番で、跳ね返るやうな愉悦を振り撒きながら、堂々とした力強さも合はせ持ち、間然する所がない。木目細かくテンポを揺らし、悪戯ぽくアクセントを際立たせ、単調さに陥ることなくモーツァルトの神髄を抉り尽くした名演だ。勿論、第9番も素晴らしく、音の弾力と色彩の豊かさが流石だが、第26番に比べて管弦楽の伴奏の質がやや劣る。


シューベルト:即興曲(全8曲)
[VANGUARD CLASSICS OVC 4068]

 1967年に録音されたクラウスの代表的な名盤であり、同曲屈指の名演とされるものだ。何れの曲も歌に溢れ、情感が滴り落ちる。孤独な呟きから強いアクセントを伴ふ劇的な情操まで表現の幅は広い。クラウスのタッチは硬質で、リズムが立つて聴こえるが、全体が優しい表情で包まれてゐるのが特徴だ。しかし、技巧は全盛期の輝きを失つてをり、音が混濁してゐる箇所も散見される。弱音の繊細な美しさが印象的だが、フォルテになるとタッチが平板で厳つい。内なる声を徹底的に探求したシュナーベルとフィッシャーが聴かせる霊妙な明暗や仄暗い詩情には及ばない。


シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番、同第14番
[VANGUARD CLASSICS 08 4069 71]

 クラウスはヴァンガードにシューベルト作品を纏めて録音したが、イ短調の2つのソナタは特に感銘深い。第14番が心憎い名演で、力強さと繊細さが綾なす表現が絶妙だ。弱音の妙なる抒情美は深い感動をもたらす。クラウスの代表盤としてお薦めしたい。第16番は感情の起伏が大きく、短調の劇的な凄みが表出されてをり、終楽章コーダでの焦燥感は秀逸だ。しかし、総じて劇的な鋭さを追求する余りに強音が硬く、レガート奏法も長く続かないのでシューベルトの悲愴感漂ふ歌心が途切れてゐる。惻々と胸に迫る物悲しさではケンプ盤を上位に置きたい。


シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番、さすらひ人幻想曲
[VANGUARD CLASSICS OVC 8099]

 ハンガリー出身でウィーン音楽に造詣の深いクラウスのシューベルト演奏には定評がある。クラウスはヴァンガードにシューベルトのソナタを3曲録音してゐるが、特に至高の名曲、変ロ長調ソナタともなれば食指が動く。慈しむやうな情愛とコケティッシュではしやいだやうなリズムが魅惑を振りまく名演で、甘く感傷的な歌が殊の外美しい。生来の天分である美音で閃きのある詩情を紡ぐのはクラウスの独擅場だが、時に御喋りが過ぎ音楽が冗漫になることがある為、玄妙な霊感に導かれた師シュナーベルの名演には僅かに及ばない。さすらひ人幻想曲も嫋やかな歌に充ちた佳演だが、技巧的な箇所は壮麗である一方、幾分音楽が停滞して仕舞つた。


バルトーク:6つのルーマニア民俗舞曲、民謡の旋律による3つのロンド、3つのハンガリー民謡、トランシルヴァニア民謡によるソナチィネ、15のハンガリー農民歌、子供のために第1集(全21曲)、他
[VANGUARD CLASSICS 08 9100 71]

 有名なルーマニア民俗舞曲の冒頭を聴いただけで、この演奏が特別な価値を持つてゐることに気付くだらう。ハンガリー出身の名女流ピアニストであるクラウスにとつてバルトークは単に御家藝であるだけではなく、ブダペシュト音楽院時代に薫陶を受けた恩師であるのだ。クラウスのピアノは硬質の打鍵による強いアクセントで、常にリズムが生成され活気がある。これはバルトークその人のピアノ演奏と共通する特徴だ。クラウスは音符全てが血肉となつて染み付いてゐるかのやうに自由闊達な演奏をしてをり、ルバートの呼吸が絶妙だ。作品は物悲しい民謡を素材にした極めて短く概ね易しい小曲の集合で、明滅する儚い舞踏が特徴である。バルトーク自身はこれらの作品の一部しか録音を残してゐないから、クラウスによる録音の価値は大きい。モーツァルトのソナタ全集と並ぶクラウスの代表的名盤。



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